24時間テレビよ、なぜ障害児を出演させるのか
24時間テレビ今年の放送内容
今年も無事に24時間テレビが終わりました。
放送内容は公式ホームページによると、
『義手の少年が家族の想いをつなぐ 和太鼓パフォーマンス』
『吉田羊・人間に殺されかけた子犬が人間の命をつなぐ救助犬に・・・』
『坂本・春菜のニッポン夫婦列伝~これが夫婦の「愛なんだ」~』
『長野博 野生イルカの力を借りて手足が不自由な少女の夢をつなぐ』
『森田剛 終わらない戦争 地雷地帯をゆく』
『復活!伊東家の食卓 未来につなぎたい裏ワザ
『志村けんと知念侑李がコント劇団結成!聴覚障がいの子ども達に笑顔をつなぐ』
『森泉と伊野尾慧が出張DIY被災した学校を奇跡のリフォーム』
『両脚のない米国人女性が日本の子ども達に想いをつなぐ奇跡のパフォーマンス』
『チャリティー笑点』
『V6とJUMPと体の不自由な子ども達響け!魂のリズム!心をひとつにつなぐストンプ』
といったものです。
「少年」「少女」「子ども達」という言葉の通り、成人ではなく障害をもった子どもたちが出演していることがわかります。
チャリティーで集められた募金は障害者の手元に届くのか
公益財団法人24時間テレビチャリティ委員会ホームページによると、寄付金の使われ方として主に福祉関係では
福祉車両贈呈
障害者情報保障支援
難病患者支援
障害者スポーツ支援
以上のことが挙げられています。
福祉関係以外にも、環境・災害復興などに募金が使われているようです。
募金の100パーセントが障害者のために使われているというわけではないことがわかりました。
障害児を取り上げるのならば特別支援教育整備に募金を回すべき
特別支援学校は一般の公立学校のように全ての自治体に設置されているわけではないことは明らかです。
特別支援学校が無くても、通常学級とは別に特別支援学級が設けられていることは多いようです。
文部科学省(2013)によると、全国の幼児児童生徒総数に対して特別支援教育を受けている子どもは2.2パーセントだそうです。
この数字が多いか少ないかは、全ての障害児に特別支援を受けさせるべきか否かの話になってくるのでここでは割愛します。
24時間テレビでは何らかのチャレンジを通してその年のテーマを達成しています。
2015年でいえば、「つなぐ~時を超えて笑顔を~」がテーマです。
何らかの困難に挑戦するには毎日の生活の基盤が整っていることが必要だと考えます。
24時間テレビでチャレンジすることを否定はしません。
ですが、せめて集まった募金は生活の基盤を整えるためのことに使われてもいいのではないかと思うのです。
生活の基盤となるもののひとつに教育が挙げられると思います。
テーマに添うためには障害児のチャレンジが本当に必要なのか
根本的なことになります。
確かに障害児が困難や特別なことにチャレンジして達成したときの笑顔を放送することで、視聴者にも感動や笑顔が提供されるでしょう。
一方でテレビで障害を扱うことに疑問を持ったり不快感を覚えたりする層も一定数存在します。
「障害者が見世物にされている」という声をネットで目にすることが多いです。
このことを考慮したうえでもなお24時間テレビに障害児を出演させるのは一体なぜなのでしょうか。
子どもというのは、これから成長していくという点で未来への希望の象徴かもしれません。
テレビ出演で特別なチャレンジを経験することは、本人にとって人生の糧になるかもしれません。
ですが、感動って非日常的な出来事にしか訪れないものなのでしょうか。
テレビ番組って一体何のために放送されているのでしょうか。
わからなくなってしまいました。